今の職場は仕事内容が退屈…
病院に興味があるけどどうしよう…
将来のためにスキルアップしたい…
病院で働くにはどうすればいいんだろう…
さまざまな理由で病院への転職を考えている薬剤師さんは多いと思います。
でも転職の情報は世の中にあふれているため、どれを参考にしていいか悩むと思います。
転職した後で、思っていた仕事と違った、こんなにつらいとは思わなかったという声もよく聞きます。
転職時の失敗や後悔で多い原因は自分の求めることと業務内容との乖離にあります。
多くの場合仕事内容に求めることは、転職パターンによって変わってきます。
そこで、この記事では病院薬剤師歴10年の私が転職パターンに合わせた病院転職の始め方や注意点について解説します。
・病院薬剤師のつらいところ
・転職パターンごとの注意
⇒ 薬局から病院
⇒ 病院から病院
⇒ 産休・育休から病院
転職前の情報収集は、転職後の後悔を防ぐことが出来ます。
病院転職を考える方はぜひ病院薬剤師の考えを参考にしてください。
病院で働きたい理由の明確化と自分の状況確認は誰にでも必須!
病院で働きたい理由を明確化しておくことはどの転職パターンにおいても必須です。
病院で働く魅力について改めて考えておきましょう。
- 薬剤の知識
- 病気への理解
- 他職種と連携したチーム医療
- 治療方針への関わり
これらの魅力などが病院で働きたい志望動機になるかと思います。
自分の能力や環境を考えることも転職には重要です。
自分の能力・環境など個人の状況によっても転職の成功・失敗は分かれていきます。
持っているスキルや環境は人それぞれであるため、それに合った病院を選ぶことも病院転職を成功させるコツになります。
- 働きたい理由の明確化
- 自分の持っているスキル・環境の整理
病院薬剤師はブラック?転職者が病院でつらいと感じるところ
病院薬剤師ってブラックだと言われたりします。
私は病院がブラックと言われる原因の一つとして、病院の考え方とやりたいこととの違いが挙げられると思います。
この考え方の違いを理解しておくと、転職後の後悔が防げます。
転職してきた人が病院でつらいと感じるところを挙げてみました。
- 労働時間とサービス残業
- 病棟に上がれずに調剤ばかり
- 薬剤指導件数で評価
こちらについて解説します。
病院での仕事が想定していたことと違うと、とてもつらく感じます。
ブラック病院を避けての転職についてはこちらの記事も参考にしてください。
労働時間とサービス残業
労働時間で問題となるのは残業時間と自己研鑽になります。
病院では雑務も多く残業が多くなりがちです。
更に勉強会や研究は自己研鑽として扱われ、残業代が出ないことがほとんどです。
しかし、病院によっては勉強会や研究は半ば強制になっています。
(周りが参加するから断りにくい、年間で学会発表が義務づけられているなど…)
自己研鑽として取り組めるのであればよいですが、勉強会や研究をサービス残業と考えると病院はブラックかもしれません…
病棟に上がれずに調剤ばかり
病棟での活動を目指して転職しても、調剤が忙しく病棟へ上がらせてもらえない場合もあります。
病院薬剤師の仕事は、病院内の医薬品管理や安全管理、流通管理など様々あります。
これらの業務は調剤室などのセントラル業務が中心で行います。
あくまで病棟業務は病院薬剤師の業務の一部であるためセントラル中心の業務となることもあります。
薬剤指導件数で評価
病棟に上がって服薬指導に力を入れることはやりがいになりますが、同時に指導件数も稼いで来なければなりません。
病院はあくまで診療報酬によって収入を得るため、診療報酬加算を取得できる業務が優先となってきます。
例えば服薬コンプライアンスが悪く服薬指導の必要がある患者さんがいても、状況によってはクリニカルパスなど件数を稼ぎやすい指導を優先することがあります
薬局であれば企業の利益、病院であれば病院の利益を考えて動く必要があります。
転職パターンによって考えることが違う
転職のパターンによっても病院での仕事に求めることは違ってくると思います。
転職パターンごとの注意しなければならないことを紹介します。
- 薬局から病院
- 病院から病院
- 産休・育休から病院
薬局から病院への転職はやりがいと実務とのギャップに注意!
薬局から病院への転職を考えている人は、下記のような方が多いと思います。
- 医療についてもっと知りたい
- チーム医療を行いたい
- 薬剤師としてのキャリアアップをしたい
薬局から転職して来る人たちは非常にモチベーションが高いです。
しかし薬局から病院で働きたい人は次のことも注意して考えておく必要があります。
- 最初はセントラル業務が中心
- 教わるより自ら学ぶ主体性が大事
薬局から病院への転職についての詳細はこちらの記事も参考にしてください。
最初はセントラル業務が中心
病院での薬剤師の業務はセントラル業務と病棟業務とに分けることができます。
薬局からの転職の場合、病棟活動やチーム医療への参加を目指す人がほとんどです。
しかし転職後、半年~1年くらいはセントラル業務がメインとなる場合がほとんどです。
理由として、病院では内服薬の他に注射薬もあることや、内部規則(内規)が細かく決まっていることなどが理由に挙げられます。
そのため薬局から病院へ転職した人は最初は新人と同じような教育を受けることになります。
それらを覚えるまでは他部署と大きく関わる病棟業務はできない場合がほとんどです。
忙しいところでは教育は見て覚えるが主体
また、教育に時間をかけられる病院は少なく、多くは業務をしながら覚えることになります。
忙しい時間帯は先輩薬剤師の動きを見ながら仕事を覚えることになります。
また、業務のことは教われても、病気や薬剤のことは基本的には自分で勉強する必要があります。
病院では与えられる仕事をやるだけでは、業務をこなすだけになりつまらなくなりがちです。
大事なことは自主的にやりたいことを探せるかになります。
・勉強は自主性が大事
病院から病院への転職は納得できる転職理由と円満退職がポイント!
病院から病院への転職を考える人は次のようなことが、転職理由になると思います。
- 家庭の事情
- 薬剤師としてのキャリアアップ
- 現在の病院での不満
どれも理由は異なりますが、病院転職する際の注意点には共通するものがあります。
- 現在の病院との違い
- 転職理由について聞かれる
- 円満退職を心がける
病院転職の注意点についての詳細はこちらの記事も参考にしてください。
⇒ 【病院薬剤師が考える】病院から病院への転職で注意すること
現在の病院との違いを明確にする
病院から病院への転職を考えているときは、現在の病院との違いを明確にしておきましょう。
病床数が違うのか、特色が違うのか、違いをはっきりさせることで自分が求めている転職先かを考えます。
転職理由はポジティブに
面接で必ず聞かれることは転職理由になります。
転勤や家庭の事情などのやむを得ない理由でない場合は、必ずポジティブな理由を説明しましょう。
人間関係や業務がつらいなどが理由の場合、転職先の病院でもすぐ辞めてしまうのではと思われてしまいます。
スキルアップのためなどポジティブな理由であれば納得しやすいといえます。
注意としては必ず元の病院ではできないスキルアップであることが重要です。
転職活動をする前に現薬局長に話を通す
履歴書を送る前には必ず現在の薬局長に転職活動を行う旨を相談しましょう。
薬剤師の世界はとても狭い世界です。
病院の薬局長同士がつながっていることはよくある話です。
そうでなくても、事前に前の病院の薬局長に話を聞くことはよくあります。
薬局長に内緒で転職活動をしていたことがわかると、気まずいだけではなく、希望する病院からも良い印象は持たれません。
また転職後も学会などの薬剤師の集まりで顔を合わせることがあるため、円満退職できるかはとても重要です。
・現在の職場はできる限り円満退職
産休・育休から復帰後 調剤薬局の方が働きやすいとは限らない
病院は忙しいから、産休・育休から復帰したママさん達は薬局へ復帰をすることが多いです。
しかし、病院経験のある方は薬局で復帰をした場合に、業務の違いに大きく戸惑います。
- ジェネリックの取り扱いの多さ
- 医事会計
- レジ打ち(カード支払い、電子マネー支払い)
挙げればキリがありませんが、中でも一番多い悩みが疑義紹介についてです。
病院では医師への電話一本で確認できていたことが薬局ではできずストレスに感じます。
確認できても意図していない回答が返ってきて、もやもやしたりします。
薬局での疑義照会についてはこちらの記事も参考にしてください。
⇒ 【新人薬剤師必見】怒られない疑義照会のコツを病院薬剤師が解説
病院によっては当直・残業がないところ、ママさん達が多くて休みやすいところなど様々です。
病院で働いていた人は条件の合う病院で働いた方が、子供が自立してからのキャリアを考えても失敗しにくいです。
・キャリアを考えて、病院も検討
様々なパターンに対応できる病院転職におすすめのエージェント
薬剤師の転職エージェントは多くの種類があります。
病院転職には病院を得意としているエージェントを選ぶとよいです。
エージェントを選ぶ際のポイントは、次のような点が挙げられます。
- 公開求人数の多さ
- 大手企業が母体
- 2、3社への登録
⇒ 病院薬剤師が徹底比較!薬剤師の転職エージェント おすすめの選び方
私は病院への転職を考える人にはこちらの転職エージェントを勧めています。
病院への求人探し多数!短期間での転職なら薬キャリAGENT
医療業界大手 エムスリーグループ
病院求人数が豊富
迅速な転職活動
ママさん薬剤師へ対応
面談は無く、電話でのヒアリング
短期間での転職向き
医療業界大手のエムスリーグループが提供する薬キャリAGENT。
エムスリーグループのため病院求人数が豊富にあります。
またレスポンスが早く、迅速な転職に最適。ママさん薬剤師へも対応しており、育休明けなどにもおすすめ。
面談はなく電話でのヒアリングとなるため、じっくり転職を考える人には合わない場合もありますが、好条件求人は人気のため、迅速な転職や病院転職の方へはおすすめです。
豊富な求人数と丁寧なサポート!初めての転職ならマイナビ薬剤師
大手企業 マイナビグループ
豊富な求人数
面接同行サポート
派遣の取り扱いがない
転職までの時間がかかる可能性あり
就職活動を行う時に一度は耳にするマイナビ。マイナビ薬剤師はそんなマイナビが提供する、薬剤師専用の転職エージェントです。
マイナビ薬剤師を選ぶメリットは大手企業ならではの豊富な求人数にあります。
また専任のキャリアアドバイザーによる丁寧なヒアリングや、面接同行サポートなど転職には安心のサービスが詰まっています。
利用者に寄り添った紹介のため、転職まで時間がかかる可能性がありますが、初めての転職でおすすめできる転職エージェントです。
まとめ
病院へ転職する前に確認すべきことをまとめてみました。
- 病院で働きたい理由
- 病院でのつらいこと
- 転職パターン別で注意すること
これらのことを考えておくことで転職した際の失敗や後悔を減らすことができます。
転職して失敗と感じる時の一番の理由は想定との違いになります。
転職前に良いところ、悪いところの情報収集がしっかりできるかが転職のポイントになります。
転職情報の集め方としては、下記の利用がおすすめです。
- 転職エージェント
- 医療系ニュースサイト
転職エージェントであれば業界情報に精通していることも多く、キャリアの相談ができます。
また医療系ニュースサイトとしては
などが業界ニュースを発信しています。
私は病院薬剤師はやりがいがあり、魅力のある仕事だと思っています。
この記事を読んで失敗しない病院転職の役に立てば嬉しく思います。
薬剤師の転職には薬剤師専用の転職サイトは必須です。上手な選び方についてはこちらの記事も参考にしてください。
コメント