病院薬剤師歴10年の薬剤師が仕事内容を紹介

仕事内容

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病院薬剤師になりたいけど、

具体的にどんな仕事をしているんだろう?

この記事では、病院薬剤師歴10年の私が、病院薬剤師の仕事内容や魅力、働く際の注意点を紹介します。

病院薬剤師への就職活動・転職を考えている方は是非参考にしてください。

この記事の内容
〇 病院薬剤師の基本業務
  ・調剤室
  ・注射室
  ・化学療法室
  ・医薬品情報室(DI室)
  ・病棟業務
〇 病院薬剤師の魅力
〇 病院で働く際の注意点

この記事を読めば、病院で働くイメージをすることに役立ちます。

魅力だけでなく、注意点も載せてあるため、ぜひ病院就職の参考にしてください。

※ この記事は私の働いている経験に基づくため、中規模(400~600床)の総合病院の働き方の一つと考えてください。

病院薬剤師の基本業務

中央業務(セントラル業務)と病棟業務とは

病院薬剤師の仕事は大きく分けると、中央業務(セントラル業務)と病棟業務に分けられます。

中央業務は病院での薬剤の管理流通に、関わる部署で病院機能の根幹を支えます。

  • 調剤室
  • 注射室
  • 化学療法室
  • 医薬品情報室(DI室)

などが当てはまります。

病棟業務は入院患者さんの服薬指導や病棟の薬剤管理、相談応需などを行い、病棟薬剤業務実施加算薬剤管理指導料の算定を行います。

業務の特性上、多くの病院では中央業務をシフト制病棟業務を専任や中央業務との兼務などにしています。

病院によって、業務体系は様々であるため、病院見学などの際には確認するとよい点になります。

調剤室

調剤室は病院の外来患者さんの窓口となります。

院内処方の調剤監査や外来対応、院外薬局からの問い合わせ対応などの業務はこちらで行います。

  • 調剤・監査
  • 外来対応
  • 薬局からの問い合わせ

調剤室は外来患者さんを相手にしているため、日中忙しい部署となります。

調剤・監査

病院での調剤は、調剤薬局と比べ品目数が多い傾向にあります。

特に総合診療を行っている病院では様々な薬剤を取り扱います。

また、ピッキング、散剤、水剤、一方化などの調剤の基本は一通り行うことになります。

外来対応

院内処方で払い出す患者さんへの服薬指導は調剤室で行います。

病院によっては退院患者さんへの服薬指導なども行っています。

調剤薬局と比べ、外来患者さんへの対応は人員を配置できない病院が多く、病院では最低限の指導になりがちです。

外来患者さんへの指導であれば、調剤薬局の方が時間をかけて指導できます。

薬局からの問い合わせ

院外処方箋に対する薬局からの問い合わせを、調剤室で対応している病院は多くあります。

調剤室は処方を捌くことで忙しく、その中で問い合わせ対応を行うため、最低限の対応となってしまうこともあります。

注射室

注射室の業務は病院特有といえます。

多くの場合入院患者さんへの注射薬の払い出しを行います。

注射薬は内服薬と異なり、短時間での効果発現確実な投与がメリットになります。

その反面誤った投与方法は危険を伴います。

そのため病院でなければ取り扱えない薬剤も多くあります。

注射薬で注意しなければならない内容は下記のようなものがあります。

  • 速度
  • 濃度
  • 配合変化
  • 投与経路

このような内容を監査して払い出す業務が注射室の業務となります。

緊急で使用する薬剤も多数あり、用法用量を適切に取り扱うことが重要になります。

化学療法室

抗がん剤関連の業務は、他の注射薬や内服薬と異なりレジメン毎の管理などを行うため、部署や担当薬剤師が専任となることがほとんどです。

化学療法室の業務としては下記のようなことが挙げられます。

  • 抗がん剤調製
  • レジメン管理
  • 外来化学療法

抗がん剤調製

抗がん剤の調製は正確に行うことが重要です。

誤った投与を行った際に、患者さんへ大きな害を与える可能性があるからです。

また、抗がん剤の暴露から医療従事者を守るために、調製時の装備や環境を整える必要があります。

そのため多くの病院では抗がん剤調製は薬剤師の業務になります。

レジメン管理

抗がん剤治療は抗がん剤の投与方法だけではなく、制吐剤やアレルギー予防の前投薬や抗がん剤の順番など、治療全体の管理が重要になります。

そのため多くの病院では抗がん剤治療はレジメン管理を用いています。

レジメン管理することで、医療の均一化効率化安全性を高めることができます。

レジメンの管理には薬剤の知識が不可欠となるため、薬剤師がレジメン管理に関わる必要があります。

外来化学療法

一昔前では、抗がん剤治療は入院して行うことが一般的でした。

しかし、今は制吐剤などの副作用を抑える薬剤の発展などから、外来通院できる抗がん剤も増えています。

そのため抗がん剤治療において、外来化学療法の重要性は増しており、そこに関わる薬剤師の役割も大きくなっています。

医薬品情報室(DI室)

DI室は院外の医療関係者向けの窓口となります。

DI室での業務は下記のようなものがあります。

  • MR対応
  • 院内採用薬選定
  • 院内へのお知らせ作成

MRが持ってくる薬剤の情報はDI室で対応することがほとんどです。

その中で必要な情報を取捨して、院内への周知や、採用薬選定の情報として役立てます。

DI室での仕事は対外的な業務資料作成がほとんどのため、目立つ部署ではありません。

しかし、薬局内のブレーンのような部署であるため、とても重要になります。

病棟業務

病棟での活動は、下記の算定が主な業務となります。

  • 薬剤管理指導料の算定
  • 病棟業務実施加算

病棟での仕事は時間の配分が個人に委ねられることも多く、どこまで深く仕事を行うかは個人差が出てきます。

中央業務に比べ、薬歴の作成などのため残業が多くなりやすい部署になります。

薬剤管理指導料の算定

薬剤管理指導料の算定は、入院患者さんへ服薬指導を行い、記録を残すことで指導料を算定する業務となります。

病院での治療は退院までを目指した治療が多く、短期的な指導となることもよくあります。

また、指導料は週に1回の算定と決まっているため、クリニカルパスなどで短期入院する患者の指導を効率よく回ることが求められます。

そのため、長期的な経過を確認しながら指導する場合は調剤薬局の方が向いている場合もあります。

病棟業務実施加算

こちらは病棟に薬剤師が常駐することで入院患者さん全てに算定できる診療報酬です。

病棟に薬剤師が常駐することで、

  • 持参薬の鑑別
  • 薬剤に関する相談
  • 医薬品管理

など薬剤に関する安全面、効率面、医師の負担軽減などが見込まれるために診療報酬に加わりました。

常駐することでカンファレンスやチーム医療に関わる機会も増え、病棟での薬剤師の業務の幅が広がっているといえます。

救急病院では夜勤や当直がある

調剤薬局との違いとして病院薬剤師は夜勤や当直を行う病院があります。

救急病院では夜間も緊急対応の患者が入院したり、入院患者の急変があるため、薬剤師が24時間体制でいることとなっています。

そのため、薬剤師は1~2人体制で夜間も勤務する必要があります。

夜間勤務は手当は出ますが、少ない人数で業務を行うため、負担が大きいと感じる人もいます。

慣れてくるとデメリットだけでなくメリットもありますが、向き不向きはあるため、病院毎の夜勤体制は確認するとよいです。

病院薬剤師の夜勤ってつらい?夜勤のメリットを紹介!

調剤薬局と比べた病院薬剤師の魅力

病院での基本業務を行う中で、病院薬剤師には調剤薬局と比べ、次のような魅力があるといえます。

  • 取り扱う薬剤の種類が豊富
  • 検査値や検査画像など詳しいデータから病態について深く勉強できる
  • 多職種と連携したチーム医療
  • 薬剤師の提案が治療方針の決定の一助となる
  • 専門薬剤師や認定薬剤師の資格取得

上記の内容は薬剤師のキャリアを考えた際に、経験したほうがよいと考えられます。

特に今後は調剤薬局の薬剤師と病院薬剤師の薬薬連携も重要視されており、調剤薬局の薬剤師にとっても重要な経験となります。

病院薬剤師の魅力についてはこちらの記事も参考にしてください。

⇒ 病院薬剤師の魅力・やりがいを現役病院薬剤師が紹介

病院で働く際の注意点

病院薬剤師は魅力だけでは無いことも注意が必要です。

病院薬剤師になる際には次のような点も考えておきましょう。

  • 雑務が多い
  • 自主性が大事
  • 自分の望んだ仕事ができるとは限らない

上記のようなことを考えずに就職・転職を行うと失敗の原因となります。

雑務が多い

病院で働く際の注意点として、薬剤師の職能ではない雑務が多いことが挙げられます。

  • 看護師や医師からの電話(急ぎの薬が欲しい、電子カルテの使い方がわからないとか)
  • 患者さんからの電話(薬剤が足りない、処方箋なくしたとか)
  • 患者指導用冊子の発注・管理
  • 処方箋の管理 

新人さんのうちは、監査などの業務ではなく、このような雑務を任されることも多くあります。

そのため、新人のうちは、薬剤の知識より体力ストレス耐性などが求められます。

⇒ 病院薬剤師を目指す前に注意すること 病院で挫折しないために

自主性が大事

病院での仕事は日中は忙しいことも多く、自分で考えなければならないことも多いです。

そのため、医療に関する知識などは基本的には自己学習が必要になります。

業務に関しても隙間時間を効率よく動くことが求められるため、受動的な姿勢ではなく、能動的な姿勢で業務に臨む必要があります。

自分の望んだ仕事ができるとは限らない

病院薬剤師で魅力に感じる仕事として次のようなことが挙げられます。

  • チーム医療
  • 病棟業務
  • 資格取得

しかし、病院で働けば必ずできるわけではありません。

チーム医療や病棟業務を行うには、チームや病棟の担当になる必要があります。

薬剤師の人数や病床数、薬局の方針などによっては希望の仕事ができない場合もあります。

資格取得に関しても同様で、取得に必要な業務につきたいと思っても希望が通らない場合もあります。

また資格は取得しても、都合によってセクションの配置換えなどで、活かせない場合などもあります。

まとめ

病院薬剤師は中央業務と病棟業務のような仕事を日々行っています。

その中で病院薬剤師には多くの魅力が挙げられます。

しかし次のような点に注意しなければ就職や転職に失敗する原因になります。

注意する点
・雑務が多い
・自主性が大事
・希望の仕事ができるとは限らない

失敗しない就職や転職には病院の情報収集が重要になります。

病院の情報収集をしっかり行い、自分に合った病院を探しましょう。

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