病院薬剤師の給料は安すぎる！？年収が低くて生活は苦しいって本当？

病院薬剤師になると生活苦しいのかな？

やりがいは欲しいけどお金に困りたくはないな…

病院薬剤師は給料低い！よく言われており、実際そうだと思います。
でもこの記事を読みに来た人はそんな病院薬剤師の仕事に興味がある人だと思います。

この記事では現役の病院薬剤師が病院薬剤師のお給料だとどのような生活ができるかを紹介します。

結論から言うと、病院薬剤師の収入は薬剤師としては低いけど、一般的には高いといえます。

給料だけで病院薬剤師をやらないのはもったいないです。
仕事と生活のバランスを考えて自分の求めることを考えることが生活を充実させるコツです。

病院薬剤師の平均年収は低い？調剤薬局と比較すると…

病院薬剤師の年収は以下の通りになります。

病院薬剤師の平均年収は521.7万円（マイナビ薬剤師より）

• 病院勤務の薬剤師（平均年齢：42.1歳）
• 正職員・契約職員（フルタイム勤務）
• 北海道～沖縄在住、25～65歳の男女

調剤薬局の平均年収は583.8万円（マイナビ薬剤師より）

• 調剤薬局勤務の薬剤師（平均年齢：41.6歳）※ドラッグストア調剤部門も含む
• 正職員・契約職員（フルタイム勤務）
• 北海道～沖縄在住、25～65歳の男女

マイナビ薬剤師調べによると、平均年収は521.7万円で調剤薬局に比べ約60万円低めになっています。

月に5万円調剤薬局のほうが収入があるといえます。

このような背景から病院薬剤師は給料が安いといわれています。
さらに病院薬剤師は残業時間が長いことや、当直・休日出勤もあり過酷なため、忙しさの割に給料が安い印象となっています。

病院薬剤師の年収が低い理由

では６年生大学に通って国家資格を取得しても給料が低いのはなぜでしょうか？

理由は次のようなことが挙げられます。

給料を上げなくても人が集まる理由

病院には次のような特徴があります。

• 社会的な尊敬を集めやすい
• 医療の中心で勉強できる
• チーム医療の一員

これらの特徴はいわゆる病院薬剤師のやりがいとなっています。
実際、専門薬剤師などの資格はほとんどが病院薬剤師の資格となっています。

この病院薬剤師のやりがいのため、給料を上げなくても働きたい人がいるため、病院の給料は安いままとなっています。

病院の中心は医師や看護師

病院の機能の中心は医師と看護師と考えられています。

薬剤師がいなくてもいいとまではいいませんが、医師と看護師の待遇を確保することの方が重要視されます。

実際に看護職員処遇改善評価料として対象の病院では2022年の2月から看護師の給料は月額4000円引き上げられ、10月からは12000円引き上げられることになっています。

看護職員処遇改善評価料とは

岸田内閣のもとで、「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」の一環として進められている看護師の処遇改善。

地域でコロナ医療など一定の役割を担う医療機関に勤務する看護職員を対象に、2022年10月以降収入を3％程度（月額12,000円相当）引き上げるための処遇改善の仕組みのこと（日本看護協会HPより）

医療機関は非営利目的でなければならない

医療法により病院などの医療機関は非営利目的でなければならないと定められています（厚生労働省-医療法人についてより）

そのため、病院の利益を追求することは難しく、その中で給料のやりくりをする必要があります。

一方で調剤薬局などの企業は、利益がでれば社員に還元することができ、薬剤師の給料を高く設定することができます。

20代病院薬剤師の平均年収をサラリーマンと比べてみると…

20代の病院薬剤師の年収

残業時間によって収入が左右される部分もありますが、平均すると年収400万円よりやや上の年収となります。
私も就職して２、３年目は年収400万円くらいでした。

では一般的なサラリーマンはどうでしょうか？

サラリーマンの平均年収
（転職サービスdoda 平均年収ランキング（年代別・年齢別の年収情報）より）

• 20代の平均年収は341万円
• 30代の平均年収は437万円

病院薬剤師は20代でサラリーマン30代の平均年収くらいの収入を稼ぐことができ、世間的には低くないと言えます。

そのため、生活できないレベルで収入が低いかというとそうではないと考えられます。

年収400万円（手取り320万円）の生活はこんな感じ

実際に年収400万円（手取り320万円）だとどのような生活ができるかを紹介します。

私が就職して2、3年目は年収400万円くらいでこのような生活をしていました。

家計の内訳

このような生活をしており、年間で貯金を100万円ほど貯めることもできました。

貯金は減りますが、車の所持や趣味にお金を使っても生活には困らないと思います。

家電やブランドなどの高額品はボーナス時に買うか悩むところです。

学会費や参考書代など月収で足りない分はボーナスから補填って感じです。

趣味にお金がかかる人ではちょっと物足りない給料とも言えます。

病院薬剤師が給料を上げるには？調剤薬局へ転職するしかないのか？

病院薬剤師が給料を上げるために、調剤薬局へ転職することは正解の一つといえます。

では病院薬剤師として給料を上げる方法は何があるのでしょうか？

認定薬剤師や専門薬剤師となる

認定薬剤師や専門薬剤師となることで、給料のアップが見込めます。

認定薬剤師や専門薬剤師には講演会や医学書の執筆依頼が来ることもあり、副収入が増える可能性があります。

依頼されるには、学会発表や論文執筆などで権威を高める必要があります。

病院によっては資格に対して補助を出して貰える場合があるので、そのような病院で働く事も大切です。

成果を出して昇級する

前提条件としてですが、病院では上級のポストが少なく昇級することが難しいです。

しかし、成果を出すことで昇級する事は無理ではありません。
病院での成果は病院への貢献度といえます。

• 医療収入の上昇
• コストの削減

診療報酬をどのように効率良く増やすか、無駄なコストはないかを考えます。

病院経営にあたり目に見える成果を出した場合に、昇級するケースは多いです。

薬剤師の仕事に何を求める？給料？やりがい？ワークライフバランス？

病院薬剤師は生活ができないほどではないですが、忙しい割にお給料がもらえないといえます。

仕事なのでお金も大事ですが、最終的には自分が何を仕事に求めるかが重要です。

• 仕事のやりがいなら病院薬剤師
• ワークライフバランスは調剤薬局

医療への貢献や薬剤師としてのスキルアップを求めるなら病院薬剤師はうってつけです。
また、病院は転勤が少なく倒産しにくいといえるため、安定した職場がよい人にも向いています。
地域医療への貢献をしながら、趣味や自分の時間を大事にしたい人は調剤薬局のほうが向いています。

とはいえ、調剤薬局でもやりがいは見出すことはできますし、病院薬剤師でもお金を稼ぐことはできます。
⇒　病院薬剤師のキャリアアップ！資格取得方法と転職タイミング

やりたくない仕事を続けても長続きしないですし、身体を壊したら元も子もないです。

自分が大切にしたいことを考えて働くことが重要です。

まとめ

確かに、病院薬剤師は調剤薬局と比べると平均年収は低いです。

しかし世間的に低いわけではなく、生活に困るほど低くはないです。
そのため、仕事へのやりがいを重視する人は病院薬剤師として働くこともよいと思います。
病院薬剤師は続ける事で年収も上がっていきます。

逆に趣味に使えるお金や時間がほしい人、若いうちにお金を貯めたい人は調剤薬局が向いています。
40才くらいまでは調剤薬局の方がお金を貯められるので、将来起業を目指す人は調剤薬局の方が有利だと思います。

自分の時間と仕事のやりがい、将来を考え、仕事のやりがいを重視する人は病院薬剤師をおすすめします。
⇒　調剤薬局がつまらない　新人薬剤師さんの悩みを病院薬剤師が考える！

調剤薬局から病院薬剤師へのなり方についても紹介しているので参考にしてください。

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2022.05.01