コミュニケーション能力が必要なのはわかるけど…
具体的にどうすれば…
先輩と話すの苦手…
うまく伝えられない…
薬剤師に必要な能力としてコミュニケーション能力がよく挙がります。
でもコミュニケーション能力って抽象的で苦手って人も多いと思います。
この記事では、薬剤師に必要なコミュニケーション能力について、病院薬剤師歴10年の自分が考えてみました。
・コミュニケーションが苦手
・相手によって考えることは何?
結論から言うと、私はコミュニケーションに一番大事なことは相手の事を考えることだと思います。
コミュニケーションが円滑になると業務がスムーズになります。
コミュニケーションが苦手な人は今回の記事を参考にしてください。
コミュニケーション能力は薬剤師に必要な能力
薬剤師に必要な能力は次のようなことが挙げられます。
- 行動力
- 思考力
- コミュニケーション能力
この中でもコミュニケーション能力は多くの場面で役立つため、コミュニケーション能力がある人は薬剤師に向いているといえます。
病院薬剤師に向いている人についてはこちらの記事も参考にしてください。
⇒ 病院薬剤師に向いている人はどんな人?
行動力
行動力は興味や関心が原動力となります。
わからない薬剤や病気の治療法の勉強。
研究や未経験の仕事を行う際には行動力が重要です。
思考力
思考力は薬剤や医療を考えるだけで無く、相手の事を考える力も重要です。
また仕事の優先順位などを考える力も必要です。
副作用の発現や服薬状況などは患者さんを理解することが大事です。
相手を考える事はコミュニケーション能力にも繋がってきます。
コミュニケーション能力
薬剤師は医師や看護師、患者さんなど様々な人と関わる必要があります。
そのため円滑に仕事を行うために、コミュニケーション能力は欠かせません。
医師や看護師さんとのコミュニケーションを円滑にするためには、相手の考えていることを理解する必要もあります。
たとえば、薬剤師の重要な仕事である疑義照会はコミュニケーション能力がとても大事です。
ではコミュニケーション能力って具体的にどんなことでしょうか?
コミュニケーション能力って何?
コミュニケーション能力とは一般的に他者と意思疎通を図る能力といわれています。
他者と意思疎通を図るためには、下記が重要となります。
- 受けとる力
- 伝える力
- 非言語的な力
受けとる力とは、会話の際に相手が意図した事を正しく理解することです。
患者さんやスタッフと会話する際に、相手が伝えたいことをしっかり理解できるかはとても重要です。
聞いているつもりでも、勘違いして聞いてしまったり、伝えることが上手でない人もいます。
逆に、伝える力は自分が意図したことを正しく理解してもらうことになります。
自分では伝えたつもりでも、患者さんには伝わっていなかったりします。
また医療事故の多くは伝える力や受けとる力が不十分なことによるコミュニケーション不足が原因だったりします。
非言語的な力としては医療従事者としての立ち振る舞いなどが当てはまります。
例えば白衣が汚れていると患者さんから信頼されにくいなど、見た目も当てはまります。
コミュニケーションを円滑にするために相手の事を考える
受けとる力、伝える力、非言語的な力がコミュニケーションには必要です。
薬剤師が上記のコミュニケーション能力を発揮するためには相手の事を考えることが重要といえます。
薬剤師は様々な相手とコミュニケーションを取らなければなりません。
- 医師
- 看護師
- 先輩薬剤師
- 患者
それぞれに状況が違うため常に相手の事を考える必要があります。
- 相手の考えていることは?
- 相手がしてほしいと思うことは?
- 相手が嫌だと思うことは?
- 相手の状況は?
- なぜ怒っているのか? …などなど
考える事はたくさんありますが、大事なことは相手のことを考えることです。
相手を理解することでコミュニケーションは円滑に進みます。
相手を理解するには事前の準備も大切
- 医療に関することなら知識が必要
- 相手の性格も考慮
- 身だしなみを整える
上記の様に事前に準備ができることもあります。
スタッフと話す時であれば、同じくらいの医療に関する知識は必要になります。
医療従事者同士では医療の知識やニュースはコミュニケーションツールといえます。
逆に患者さんと話をする時は、どの程度医療への理解があるかを考えます。
医療の言葉は専門的なため、相手の理解を確認しながら使う必要があります。
よく話す相手であれば性格も考慮しておきましょう。
相手によって話し方を変えることも時には重要です。
身だしなみを整えるだけでも相手の印象はよくなり、話がスムーズになります。
コミュニケーションではできるところから準備することが大事です。
コミュニケーション能力が必要な場面 考えることは?
薬剤師が関わる人たちは、様々です。
そのため相手やシチュエーションに応じて考えることが大事になります。
患者さんへの服薬指導の場面
- 話を聞いてくれそうか?
- 話を聞いてほしそうか?
様々な患者さんがいると思います。
まずはどんな患者さんかを考えることがコミュニケーションの第一歩になります。
例えば話をしたくない患者さんには色々な理由が考えられます。
- 急いでいる
- 自分のことを話したくない
- 医師に説明したから二度手間
患者さんの様々な状況を想像することで、円滑に進むこともあります。
→ 急いでいる方へは端的にYes/Noで答えられるクローズクエスチョンを行う。
→ 信頼されてなければ、こちらから話を進めつつ、理解の確認を丁寧にする。
→ 医師に説明したという人には、服薬指導の重要性をお話する。
など相手によってアプローチのやり方を考えることが大事です。
医師への疑義照会は忙しいことが前提
疑義照会で電話をする場合、医師は忙しいことが前提になります。
そのため、電話の場合は準備が重要です。
- 疑義照会のポイント
- 切り出し方
- 予想される質問に対する回答
疑義照会のポイントを簡潔に伝えられるように、電話前に会話のイメージをしましょう。
電話の場合、切り出し方も工夫するとよいです。
「お時間よろしいでしょうか?」で電話を始める人は多いですが、医師の中には要件を早く伝えてほしいと思っている人もいます。
最初に「○○さんの処方の件ですが…」などから入り、要件を伝えた方がスムーズにいきます。
医師へ提案する場合は、予想される質問の回答を用意することが大事です。
例えば、相互作用などで処方変更の問い合わせをする場合は代替案を提示する必要があります。
看護師との会話
病院では看護師さんと話をしない日は無いといってもよいです。
- 薬についての問い合わせ
- 病棟看護師からの情報収集
- チーム医療
看護師さんは病院で一番人数が多く関わらないことはないです。
多くの看護師さんがいるため、看護師さんの能力にもバラツキがあります。
薬についての問い合わせでは、しっかり伝えたつもりでも、こちらの意図した伝わり方にならないこともあります。
そのため、確認作業は必須になります。
病棟ではいろいろな人がいるので、それぞれの立場や性格は気にしておくとよいです。
病棟看護師との連携がうまくいくと、患者さんの情報収集を行いやすくなります。
チーム医療の看護師さんは専門性があり、医師にも物怖じせず接します。
チームでは相手の考えを理解しつつ、それぞれの立場で患者さんの治療を行うことが信頼される近道になります。
苦手な先輩薬剤師とのコミュニケーション
接する時間が一番長いので、苦手な人もいると思います。
苦手な先輩薬剤師と接する際には、ある程度仕事を覚えることが一番大事です。
ある程度仕事ができる様になると、
- 仕事に対する考え方
- 仕事上の知識
- 仕事上の悩み
など、考え方を先輩薬剤師と共有できるようになります。
共通の考えを持つと、仕事上の関係性は良くなることが多いです。
新人のうちはコミュニケーションに悩むよりは、仕事を覚えた方が上手くいくこともあります。
仕事上のコミュニケーションとして報告・連絡・相談が必須となります。
このコミュニケーションの際、相手の状況と自分の状況を考えることが大事です。
- 忙しい
- 機嫌が悪い
上記の様に相手に話しかけづらい状況はあると思います。
しかし、仕事上の報告・連絡・相談は急がなければならない場合もあります。
その場合は、相手の状況より自分の状況を優先することも必要です。
この状況判断が相手の考え方と一致すると、仕事がやりやすくなります。
先輩によく怒られて悩んでいる新人さんはこちらの記事も参考にしてください。
⇒ 新人薬剤師が怒られる場面 怒られないための解決策
まとめ
薬剤師は様々な人と話すためコミュニケーション能力が必須になります。
コミュニケーションの基本は相手の事を考えることであり、常に想像力を働かせることが大事です。
相手の考えを想定しながら、どのようにすれば円滑に進むかを考えます。
いろいろなタイプの人がいるので、経験が無いと難しいことも多いです。
しかし、意識しながら相手を見ることで成長は早くなります。
たくさん経験を積んで、いろいろな人と話しましょう。
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