在宅行きたくない…
仕事をするのがつらい…
在宅医療をやるつもりはなかった…
在宅医療は増加する一方で、在宅をやりたくないと感じている薬剤師さんは多くいると思います。
この記事では現役病院薬剤師の目線から在宅医療をやりたくない人へ対処法を紹介したいと思います。
・在宅を避ける方法を知りたい
・在宅医療の見通しを考えたい
今後も在宅医療は増えていくことが予想されます。
薬剤師が飽和すると仕事を選ぶことはできなくなるかもしれません。
そのため将来を考え、在宅医療に魅力を感じない人は早めに対策することが必要です。
今回の記事を将来を考える参考にしてください。
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今後も在宅医療は増えていく
日本では高齢化が急激に進んでおり社会問題になっています。
在宅医療を行う薬局は増えており今後も増えていくことが予想されます(厚生労働省:在宅医療の現状についてより)。
- 地域包括ケアシステム
- 高齢化
- 薬剤師の飽和と対人業務の強化
地域包括ケアシステムとは
2025年(令和7年)を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進する
厚生労働省HPより
地域包括ケアシステムでは、医療は必ずしも病院で行う訳では無く、可能なかぎり自宅で行う事を目標にしています。
そのためには在宅医療は必須になってきます。
高齢化
65歳以上の人口は、現在3,500万人を超えており、2042年の約3,900万人でピークを迎えますが、その後も、75歳以上の人口割合は増加し続けることが予想されています。
厚生労働省HPより
高齢化に伴い、医療・介護を行う対象は増え、働き手は少なくなり、医療体制が大きく変化することが予想されています。
薬剤師の飽和と対人業務の強化
最近の話題として、将来薬剤師が過剰になるという話があります(厚労省HPより)。
薬剤師がいらなくなることは無いと思いますが、働き方は変わってきます。
過剰な薬剤師の受け皿となるのは調剤薬局や病院です。
調剤薬局では調剤業務などから在宅医療などの対人業務へシフトしています。
そのため多くの薬剤師は対人業務主体の仕事になることが予想されます。
在宅のメリットは患者さんと深く関われるやりがい
在宅を行うメリットには次のようなことが挙げられます。
- 診療報酬
- 患者さんに深く関われる
調剤薬局のメリットとしては診療報酬が挙げられます。
2022年の診療報酬改定で調剤料は下げられており、国は調剤薬局に在宅などの対人業務へのシフトを促しています。
在宅医療は患者さんに深く関わりたい人にはおすすめです。
薬局ではわからない、患者さんの生活環境からの服薬指導やケアの話ができます。
また、多職種連携として訪問医師や看護師、ケアマネージャーとの連携があります。
在宅は負担が大きいですが、その分やりがいはとてもあります。
在宅をやりたくない理由は責任の重さと業務量
在宅にはやりがいもたくさんありますが、負担の方が大きいと感じる人もいます。
在宅をやりたくない理由としては、次のようなことが挙げられます。
- 業務が増える
- 責任が重い
- 24時間、休日でも連絡がくる
- 患者宅へ行くのが恐い
- 運転したくない
- 頑張っても評価されにくい
在宅医療を行う間は他の仕事はできないため、患者が増えると他の業務にしわ寄せがきます。
患者さんと深く関わる分、担当制とする薬局も多いです。
そのため患者さんに何かあった時の責任は大きくなります。
担当制の場合、担当でないと対応できないこともあるため、夜間休日に関わらず連絡が来る可能性があります。
薬局によっては患者宅へ一人で訪問する場合もあります。
特に女性薬剤師の場合、男性患者宅へ一人で訪問することは恐怖。
患者とトラブルになることもあります。
配達も兼ねて行うこともあるため、運転が必要です。
普段運転しない人にはストレスになりがちです。
在宅は診療報酬がありますが、店舗によっては採算が合わないこともあります。
そのような場合、頑張るほど仕事は増えるけど評価されないことがあります。
⇒ もしかしたら病院薬剤師が向いてるかも?調剤薬局の悩みあるある5選
在宅をやりたくない時の対処法
在宅をやりたくない時の対処法は次のようなことが挙げられます。
- 薬局内にいてほしいと思われる
- 在宅をやっていない店舗への異動
- 在宅をやっていない業種への転職
薬局内にいてほしいと思われる
在宅を行う場合、その間薬局内の仕事はできなくなります。
薬局内の仕事に必要な人と思われれば、在宅より薬局内にいてほしいとなり在宅患者が相対的に減ります。
ただ、在宅の仕事が無くなる訳ではないので全くやりたくない場合は別の方法が有効です。
在宅をやっていない店舗への異動
店舗の異動願いが出せる場合は、在宅を行っていない店舗を検討しましょう。
処方箋枚数が多い店舗や人数が少ない店舗などは在宅を行いにくいため導入していない店舗もあります。
しかし、将来的に導入する可能性はあるため注意が必要です。
在宅をやっていない業種への転職
絶対に在宅をやりたくない場合、在宅をやっていない業種への転職が確実な対処法といえます。
- ドラッグストア
- 病院薬剤師
ドラッグストアの薬剤師になる
ドラッグストアの場合、レジ打ちや品出しなど薬剤師以外の仕事が多くあります。
そのためドラッグストアの薬剤師は在宅医療を行う余裕が無く、現状導入している店舗はほとんど無いです。
しかし、今後の国や会社の方針によっては導入する可能性もあるため、注意は必要です。
病院薬剤師になる
病院薬剤師は調剤薬局の薬剤師とは役割が違います。
調剤薬局の薬剤師は地域医療の支えとして、在宅医療の中心となることが期待されています。
一方、病院薬剤師は入院患者さんが自宅に帰れるようになるまでの治療をサポートします。
そのため今後も在宅医療を行う可能性は限りなく低いと考えられます。
本当に在宅をやりたくない場合は、病院薬剤師になることを考えてもよいと思います。
⇒ 調剤薬局がつまらない 新人薬剤師さんの悩みを病院薬剤師が考える!
まとめ
在宅医療は患者さんと深く関われるためやりがいがたくさんあります。
反面、業務量や責任が増えるため、やりたくないと感じる人は多くいます。
将来的に調剤薬局の薬剤師は在宅医療を含めた地域医療の中心になることが予想されます。
薬剤師の働き方は多様になっていますが、薬剤師が飽和してしまったら仕事内容は選べないかもしれません。
今、病院薬剤師は医師のタスクシフトとして、様々な業務に分化しています。
そのため病院薬剤師の需要は増加傾向にあります。
病院薬剤師に興味がある人は、余裕のある今のうちに転職を検討した方がよいです。
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