病院に就職したけど色々な情報がありすぎて、何を勉強したらいいかわからない。先輩達はどこで薬剤の情報収集をしているんだろう。
先輩薬剤師の話を聞いていると、新薬の話や適応追加の情報など最新の話をしていることがありますよね。
一体どうやって情報収集をしているんでしょう。今回はそんな悩みに答えます。
・情報収集の方法
・おすすめの情報サイト 3選
この記事を読むことで薬剤師に必要な情報収集の方法がわかります。
最新の医療情報や医療ニュースに強くなることで医療の知識が身につくだけでなく、薬剤師や他の医療スタッフとのコミュニケーションにも活かせます。
結論からお話させていただくと情報収集には情報サイトの利用がおすすめです。
情報サイトは
- 日経メディカルOnline
- m3.com
- PMDAメディナビ
に登録することをおすすめします。
理由は下記に記載致しますが、読むのが面倒という方は、とりあえず登録だけでもしておくとよいと思います。
- 日経メディカルOnline の登録はこちら ⇒ 日経メディカルOnline 登録
m3.com の登録はこちらから ⇒ m3.com 登録
- PMDAメディナビの登録はこちらから ⇒ PMDAメディナビ 登録
医療の情報は知ってるだけで有用な場合も多いので、情報感度が高くなりたい方はぜひ参考にしてください。
新人薬剤師さんが抱える悩みについてはこちらの記事も参考にしてください。
製薬会社や情報サイトのパスワード管理が大変…
薬剤師って結構パスワード管理に苦労している人が多いんじゃないかと思います。
そんな人には「1Password」がおすすめです。
が「1Password」は世界で1500万人以上が愛用する、パスワード管理サービスです。
すべてのパスワードと重要なデータを1つのマスターパスワードで管理できます。
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ソースネクスト3年版はこちら薬剤師に必要な情報とは
薬剤師は様々な情報に強くなければならないと言われますが、どんな情報が必要でしょうか。私は次のような情報を意識して集める様にしています。
・適応拡大(適応追加、効能追加)
・緊急安全性情報(イエローレター),安全性速報(ブルーレター)
・診療報酬改定
・キャリアプランに必要な情報
新人薬剤師に必要な勉強方法についてはこちらの記事も参考にしてください。
⇒ 【新人薬剤師 必見】病院薬剤師の勉強方法 調剤薬局でも使えます
新薬情報
新薬情報は業務にも役立ち、薬理学を勉強してきた薬剤師にとっては楽しみな情報でもあります。
もちろん皆が興味を持つ情報になるため、知ることが早ければより価値があります。
最近では多種多様な薬剤が増えており、すべてを網羅することは困難です。
慣れないうちはまず、自分が面白いと思った薬剤を調べるとよいです。
何を調べたらよいかわからないって人は新機序の薬剤を調べるとよいでしょう。
今後ガイドラインの1stラインに取って代わるかもしれません。
新しい薬剤は皆知りたいですからね。
新薬情報に食いつくのは薬剤師の性(さが)だと思います。
新薬の情報は新人でもベテランでも平等な新しい情報になります。
知っていると一目おかれる様になると思います。
適応拡大(適応追加、効能追加)
適応拡大(適応追加、効能追加)の情報は臨床で働く上でとても重要な情報になります。
日本の多くは保険診療で成り立っているため、治療はその制限の中で行う必要があります。
薬剤においての制限として適応が挙げられます。
例えば有効性のエビデンスがある薬剤でも適応がないと、保険診療から外れてしまうため、使用頻度は少なくなります(適応外使用などで使用することはあります)。
しかし適応拡大がされると、保険診療内でも薬剤が使用できるようになり、使用頻度の増加につながります。
日本では適応が無いけど海外では使用されており、有効性のエビデンスがある薬剤は多くあります。
適応拡大により、そのような薬剤を使用できるようになることは、治療への選択肢が増え患者さんへのメリットになります。
医師はよく日本では使えないけど海外では使われているんだよねなどというので、適応拡大の情報は医師にとっても知りたい情報といえます。
適応拡大の情報は国家試験にはあまり出題されることはないため、薬学部の授業ではあまり重要視されませんが、実臨床ではとても重要です。就職してからは適応拡大の情報収集はしっかり行うことをおすすめします。
適応拡大されることで、治療選択の幅が広がるのは、
患者さんにとってメリットですね。
緊急安全性情報(イエローレター)・安全性速報(ブルーレター)
緊急安全性情報(イエローレター)や安全性速報(ブルーレター)は発売中の医薬品や医療機器において緊急に安全対策をとる必要があると判断された場合に、厚生労働省から配布が指示され、製造販売業者と独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)から発出される情報になります。下記はPMDAホームページより抜粋。
緊急安全性情報
【イエローレター】
緊急に安全対策上の措置をとる必要があると判断された場合、厚生労働省からの配布指示に基づき、製造販売業者が作成する情報です。なお、国民(患者)向けの資材は、平成23年7月より原則として作成されることとなっています。
安全性速報
【ブルーレター】
緊急安全性情報に準じ、一般的な使用上の注意の改訂情報よりも迅速な安全対策措置をとる必要があると判断された場合に、厚生労働省からの配布指示に基づき、製造販売業者が作成する情報です。なお、国民(患者)向けの資材は、平成23年7月より必要に応じて作成されることとなっています。
イエローレターとブルーレターの違いは、イエローレターはブルーレターに比べ緊急度、重要度が高い情報であり、一般の患者さんに向けても原則お知らせが必要な点が挙げられます。
どちらも医師や薬剤師にとって必須の情報となり、発出された際には素早く知らなければならない情報となります。
最近では令和3年6月1日にジョイクル関節注によるショック、アナフィラキシーについてのブルーレターが出されています。
イエローレターは最近ではほとんど発出されてなく、最後に出たのは平成19年3月20日のタミフル服用後の異常行動についてになります。
イエローレターは一般の人向けにもお知らせされるから、
ニュースなどで取り上げられ話題になります。
知らないとまずい・・
診療報酬改定
診療報酬とは保険診療の際に医療行為等の対価として支払われる報酬のことを指します。
病院の収益は診療報酬で成り立っており、病院の収益から病院薬剤師へお給料が支払われます。そのため病院で働くということは診療報酬を得るために働くということになります。
診療報酬改定は2年毎に行われ、直近では令和2年度に改定されています(厚生労働省HP参照)。
診療報酬改定によって病院の方針や病院薬剤師の働き方は大きく変化します。
例えば2012年の改定により新たに設置された病棟薬剤業務実施加算によって病棟薬剤師の業務は大きな転機を迎え、多くの病院では薬剤師の増員を行っております。この算定には
- すべての病棟に専任の薬剤師を配置すること
- 病棟業務時間は1病棟あたり1週間に20時間以上行うこと
などの施設基準が設けられており、この条件を満たすために多くの病院では薬剤師の増員が行われました。
また病棟業務時間に該当する内容として、
- 持参薬の管理
- 輸液の流量・流速の確認
- 服薬状況の確認
- 医療スタッフからの相談応需
など、病棟において薬物療法の安全性・有効性に関わる業務を行うことが求められることとなりました。
このように薬剤師の働き方は診療報酬によって左右されるため、自分の働く方向性を考える上でも診療報酬改定の情報は重要になってきます。
キャリアプランに必要な情報
認定や専門薬剤師の資格を取得しようと考えている人は、単位の取得や講習会の予定を考えておく必要があります。効率よく取得するためにも学会情報や講習会・研修会の情報は重要になります。
学会情報は各種学会のホームページなどから情報収集できるため、自分が気になっている学会の情報は調べておきましょう。
講習会・研修会のお知らせなどは病院にMRさんから届けられる情報や、情報サイトなどから得ることができます。
自分のキャリアに必要な道筋を考えて、単位取得の方法や講習会・研修会の予定を考えておくと資格取得が効率よく行えます。
情報収集の方法
情報収集の方法は下記の方法などが挙げられます。
- 情報サイト
- 学会ホームページ
- 医薬情報担当者(MR)
それぞれの方法によって、取り扱う情報が異なってくるので、目的に合った情報収集を行うことが大切です。
情報サイト
登録することで記事を読むことができ、新着記事を読むことができるため新しい情報を入手するのに役立ちます。
新薬承認や適応拡大の情報、PMDAからのお知らせや診療報酬の話など、幅広い種類の記事が届けられます。
量や種類が多すぎるため全てに目を通すことは難しいですが、話題の情報などは記事として取り上げられることも多く医療業界や薬剤師業界の全体的な流れを把握することに適しています。
一方で多くの情報が溢れているため、毎日新着記事が更新されていきます。新着情報の通知が多く入ってくるため整理しておかないと見逃す可能性があります。
情報サイトも多くあるため、自分の欲しい情報が得られるサイトに登録しておくことが大事です。
目的によって登録するサイトを選ぶとよいと思います。
メリット
- 新着情報が得られる
- 幅広い種類の情報がある
- 業界全体の流れをつかむことができる。
デメリット
- 情報量が多いため、情報を見落とすこともある
- 情報サイトが多く、選ぶことが大変
色々な情報サイトに登録したけど、
通知が多くて、結局見れてない…
登録サイトが多すぎると通知が多くなり、必要な情報を見落とす可能性があります。
おすすめの情報サイトはこの後の記事で紹介します。
学会ホームページ
自分のキャリアアップに必要な情報を関係学会のホームページから入手しておきましょう。
主に必要な内容として下記の内容は確認しておく必要があります。
- 受験資格
- 単位取得
- 実習の有無
- 症例報告
- 学会日程
- 講習会
ここで得られた情報を元に自身の予定を立てていくと効率よく資格の取得ができます。資格の中には年間で継続しなければならない条件や、年に1回しか講習会が無い場合など、見逃した際に年単位で時間を無駄にする場合もあります。
日々更新がある情報ではないため、毎日確認する必要はありませんが、少なくとも3ヵ月に1度くらいは確認しておくことをおすすめします。
医薬情報担当者(MR)
医薬品情報担当者(MR)からも様々な情報が得られます。MRさんは自社の薬の情報提供を行っており、
- 新薬
- 適応拡大
- イエローレター、ブルーレター
- 出荷調整、供給停止
- 勉強会
などの情報提供を行っております。
自社の薬剤を使用して欲しいため、新薬や適応拡大の情報は比較的早くプロモーションをしてきます。また、会社の信頼性にも関わるため、イエローレターやブルーレターなどの安全性情報や出荷調整や供給停止などに関わる情報も、素早く情報提供されます。
病院の場合、勉強会については、薬局からの依頼というよりは、
新薬のを使ってみたいんだよね
わかりました!
薬局にもプロモーションしておきます。
のようなやり取りがされ、薬局に勉強会のお知らせがやってきます。
今度、新薬の勉強会があるんでよかったら活用してください。
新薬の勉強会か。
誰か使おうとしている医師がいるのかな?
このような事情があるため、勉強会で紹介された薬剤は院内でも使用する可能性があるため、どのような薬剤かを知っておくとよいと思います。
新薬情報や勉強会の注意としては、自社の薬剤に関する情報提供のみとなるため、情報のバイアスがかかりやすいことを考慮する必要があります。
どのように使い分ければよいか
医療や薬剤師の業界は様々な情報があふれているため、うまく利用するにはこれらの情報を目的に合わせて使用する必要があります。
自分の使い方としては、下記のように利用しています。
- 情報サイトからの情報を流し読みして、重要な内容は詳細を調べる
- 学会情報は自分のキャリアプランと合わせて2、3ヶ月に一度確認
- MR情報は安全性や供給に関する情報については確認
勉強会や新薬情報は自分の興味や業務上必要な場合に利用
重要な情報を網羅するためには、複数の情報サイトの活用が有効です。おすすめの情報サイトは次の項目で紹介します。
自分なりに情報収集の方法や活用方法を探してみましょう。
情報サイトのおすすめ3選 全て無料で利用可能!
薬剤師や医療者向けの情報サイトって色々あって、どれに登録したらいいかわからないって新人さんは多いと思います。
ここでは病院薬剤師歴10年の私が実際に使用している情報サイトと使い方を紹介します。
結論から言うと
- 日経メディカル Online
- m3.com
- PMDAメディナビ
最低限この3つに登録しておけば、情報収集には困らないと思います。
理由としてこれらを登録することで薬剤師に必要な情報が網羅できるからです。
薬剤師に必要な情報は下記の情報などが挙げられます。
- 新薬情報
- 適応拡大(適応追加、効能追加)
- 緊急安全性情報(イエローレター)・安全性速報(ブルーレター)
- 診療報酬改定
- キャリアプランに必要な情報
今回紹介する情報サイトで収集できる情報はこちらになります。
それぞれに得意・不得意がありますが、3つのサイトを併用することで必要な情報を網羅することができます。
日経メディカル Online
日経メディカル Onlineは、医師、薬剤師、看護師、医学生、その他の医療・医薬関係者を対象とした会員登録制(無料)のサイトです。
一部のコンテンツは医師会員のみが閲覧可能ですが、大部分のコンテンツは薬剤師のようなコメディカルにも閲覧が可能です。
日経メディカルOnlineをおすすめする理由としては下記になります。
- 情報の網羅性
- 最新情報
- 記事の読みやすさ
- おまけ(ポイ活)
記事を作成している人は主に有識者であり、記事の最後に著者のプロフィールも紹介されているため、記事の信頼性は高いといえます。
新着記事やピックアップの記事を読むことで薬剤師に必要な情報が網羅されています。
特に診療報酬改定の記事などは変更の要点と解釈をわかりやすく説明した記事が多く、理解し易くできています。
診療報酬の話は内容が読みにくいので助かります。
また、認定薬剤師や専門薬剤師などの学会情報も記事として取り扱っており、新規の認定薬剤師制度が設立した時や、認定条件が変更された時の情報収集ができます。
情報の種類は多岐にわたるため、記事の量は多いですが、カテゴリー別に整理されており探しやすくできています。また記事を書く人は著名な方も多いため、記事の質としても読みやすく、タメになる内容となっています。
おまけにはなりますが、Web講演会などを視聴することによってポイントが加算されます。ポイントを貯めるとAmazonやEdyなどのポイントに変換できます。
情報収集していると気づいたら貯まっているので少しお得な気分になります。
日経メディカルOnline の登録はこちら ⇒ 日経メディカルOnline 登録
⇒ 薬剤師は日経メディカルOnlineでポイ活しながら情報収集がおすすめ
m3.com
m3.comとはエムスリー株式会社が運営する、会員限定の医療従事者向けのサイトです。
会員登録は無料で会員は医師や看護師、薬剤師などのコメディカルになります。
m3.comをおすすめする理由は下記にになります。
- 情報の網羅性
- 最新情報
- 薬剤師の書き込み
- アプリ
- ポイ活
m3.comは日経Online同様、薬剤師に必要な情報が網羅されています。
日経Onlineと異なる点として、薬剤師の掲示板やコラムがあります。掲示板には日々の業務の悩みや、仕事に対する考え方など様々な書き込みがあり、いろいろな考え方に触れることができます。
薬剤師コラムには実務に役立つ情報も多くあり、「へぇ」「なるほど」と思わせるような記事も多くあります。勉強をしたくないけどなんとなく眺めるのにおすすめです。
記事の見やすさや理解しやすさでは、日経メディカルOnlineの方が整っていると感じますが、こうした情報の違いがあるため、どちらも登録しておくことをおすすめします。
また、m3.comにはアプリがあり、すきま時間に情報収集ができる点もおすすめです。
日経Onlineにもありましたが、m3.comにもポイントがあります。日経Onlineよりポイント制には力を入れており、キャンペーンやアンケートなどによるポイントの入手もできます。
そのため医療従事者の中にはm3.comではポイ活をメインとして使用している人もいます。
ポイントを貯めることでAmazonギフト券などと交換することができます。
新規登録時にもポイントがもらえるためとりあえずの登録でもよいと思います。
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PMDA
医薬品医療機器総合機構(PMDA)は添付文書の情報検索などでお世話になっている人も多いと思いますが、PMDAメディナビに登録することで情報収集にも利用できます。
PMDAメディナビをおすすめする理由は下記の2点になります。
- 信頼性
- 情報の早さ
PMDAメディナビから配信される主な情報は下記の情報となっています。
- 緊急安全性情報 ・安全性速報
- 使用上の注意の改訂指示通知
- 回収情報
- 承認情報
- 医薬品リスク管理計画(RMP)
- 適正使用等に関するお知らせ
- 医薬品に関する評価中のリスク等情報
- 副作用救済給付の決定のお知らせ
これらの情報の中でも、緊急安全性情報・安全性速報、承認情報、回収情報などは特に注意しておかなければならない情報となります。
PMDAが配信しているお知らせのため信頼性は他のサイトと比較して圧倒的に高いといえます。また、情報のみではありますが、お知らせはとても早く、他のサイトや他の医療スタッフから伝わるより、早い段階で情報を手に入れることができます。
また日本病院薬剤師会からも登録の推奨がされており、病院薬剤師であれば登録しておいた方がよいといえます。⇒ PMDAメディナビの更なる普及及び利用促進について(協力依頼)
情報サイトと異なり、記事ではなくお知らせのみの配信となるため、情報の解釈・理解には他の情報サイトを併用することをお勧めします。
PMDAメディナビの登録はこちらから ⇒ PMDAメディナビ 登録
番外編 ヤクメド 薬剤師の口コミで悩み相談もあり
薬剤師専用コミュニティのヤクメドは薬剤師の悩みや、医師の薬の評価を見ることができます。
薬剤師の悩みを相談できるコミュニティなので興味のある方はこちらの記事も参考にしてください。
まとめ
薬剤師の世界は生涯勉強と言われていますが、私は薬剤師の勉強は日々の情報収集だと思っています。
毎日の習慣の中で医療に関する情報感度を上げることで、知識は積み重なってきます。
今回は最低限登録した方がよい情報サイトの紹介をさせていただきましたが、医療系、薬剤師系の情報サイトは他にも多数存在します。自分に合った情報サイトや使い方を探してみるのもよいと思います。
まだ、新人さんで情報サイトをうまく活用できていないという人はこの機会にぜひ活用してみてください。
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